アフターコロナでのイベント開催とシステムの活用

自転車やサイクリングは密になり難いアクティビティとして認識・注目されています。
しかしながら、 サイクリングをイベントとして開催する場合、密の回避・ソーシャルディスタンスの確保・非接触・開催地の理解など課題は多いことでしょう。
アフターコロナという社会像のもとイベント開催を計画するにあたり、 物理的な対策についてRIDEFiELDのイベント管理システムを活用する方法をご紹介します。

イベント開催中の密状態を回避する

マスクの着用や手指の消毒など日常的な感染対策はすでに習慣化されていますが、サイクリングイベントという非日常の空間ではそれ以外に何に注意をすればよいでしょうか。
屋外のイベントとはいえ、やはり一度に大勢の参加者が集まることによって形成される過密な状態だと考えます。


イベントがスタートしてしまえば参加者は各々のペースで目的地に向かいます。
その状態では個人のアクティビティと大きく違わず問題が無いように思いえます。ではイベント開催中に人が集まる場所はどこでしょう。
スタート地点、チェックポイント(エイドステーション )、ゴール地点でしょうか。
それではそれぞれの場所に分て考えてみます。

スタート地点

おそらくイベント開催中に最も人が密集する場所です。
(イベントによってはゴール地点でもありますが、全参加者がスタートし終わるまではスタート地点と定義します。)
現在はスタート地点に集合して受付・セレモニー(ブリーフィング等)後に一斉に、または少人数づつ時間差でスタートしていく方法が主流だと思いますが、限られた範囲のスタートエリアで前後左右に2メートルづつのソーシャルディスタンスを確保しながら待機するのは困難ではないでしょうか。

そこで 「スタート地点からスタートする」 という発想を捨てて、 RIDEFiELDのイベント管理システムを使用した「 スタート範囲内であればのどこからでもスタートできる」 分散型スタート の方法をご案内いたします。

下図はイベント管理システムのコースマップでスタート地点を広域表示させたものです。
中央に表示された「S」がスタート地点でその周りを淡い青色の表示がぐるっと取り囲んでいます。
分散型スタートはスタート時刻を過ぎたら、自分のタイミングでこの淡い青色の範囲の任意の地点から走行を開始します。
範囲内に入っていれば、そこが宿泊先のホテルであろうと主催者が用意した駐車場であろうとOKです。

コースは濃い青色で表示されます

これまではイベントに参加する場合、当日又は前日に受付や出走サインをすることなど、なんらかの方法で参加の最終意思表示を確認されていたと思いますが、RIDEFiELDのイベント管理システムを使用する場合、スマホアプリの「スタート」ボタンを押すことがそれに代わります。
参加者が「スタート」ボタンを押すことで、システムに登録された参加者のステータスが「エントリー済み」から「スタート済み」へと更新されます。

この「スタート」ボタンはスタート地点から半径1キロメートル以内(マップ上の淡い青色の円)に入らないと押すことはできません。
範囲に入っていたとしても、運営・管理者がシステムのイベントステータスを開催(厳密には当該カテゴリーをスタート)にしない限りボタンそのものがアプリの画面に表示されません。


当日のセレモニーや諸注意については、メール配信やオンラインなどの活用に置き換えるなどが考えられます。また、ゼッケン・ヘルメットステッカーなどを事前に郵送することで受付そのものを省略すれば、集合・接触を大幅に削減できるでしょう。

このようにスタートの仕方を分散型スタートにするだけで、イベント開催中の最大と思われるリスクを回避することが可能です。

チェックポイント(エイドステーション)

ルート上で人が集まれる場所を新たに見つけることは難しいので、 チェックポイントを増して参加者を分散させる方法は現実的ではありません。
カテゴリー毎に立ち寄れるポイントを分けることもできますが、そもそも参加者はバラけて到着しますので各エリア内の導線を整理する方が効果的だと考えます。

通過チェックを行う場合は参加者がスタッフにゼッケン番号を伝えて、 スタッフはその番号をシートから見つけてチェックする。
おおよそこのようなオペレーションになると思います。
スタッフを増員してチェックエリアを多重化することにより参加者の待機列を分散させることが密状態の緩和になりますが、 チェックポイントの混雑は一定ではないのでスタッフ人数の配分が難しく、スタッフと参加者の接触は回避できません。(混雑のピークに合わせると人的リソースの負担が増え、少なければ密状態が解消しません。)

RIDEFiELDのイベント管理システムでは、チェックポイントの通過チェックをスマホアプリのQRスキャン機能を使って参加者自身が行います。
この機能を利用すればQRコードを印刷したシートを複数枚用意して、ディスタンスを保った距離に設置すれば分散と非接触が同時に実現します。スタッフ人数も最小限で対応が可能です。
参加者が自らチェックシートをチェックすることも可能ですが、滞在時間の延長やペンの使いまわしなど新たに対策が必要な問題が発生することが懸念されます。
QRリーダーでコードをスキャンする時間はわずか数秒なので、チェックエリアに参加者が滞留することも抑止できます。

ゴール地点

ゴール地点もチェックポイント同様に考え、QRコードを複数用意して対応します。
完走はシステム上で確認できるので、完走賞は後日の郵送やダウンロードに対応するなどによりスタッフとの接触やエリア内の滞在時間を短くすることでリスクの低減が可能です。


どうでしょうか?
スタートの方法こそ従来と大きく異なりますが、その他はQRコードを数枚印刷してソーシャルディスタンスを保ったテーブルの上に貼るだけです。
難しい事は何もなく管理作業は管理本部のシステムに一元化されるので、むしろシンプルな運営形態へと変わりそうではありませんか?

全てがシステムを通して行われるので現実感に乏しく、運営・管理者、参加者ともに馴染みにくいかもしれません。
この方法だと以前のように集合写真を撮ることもできないかもしれません。しかしながらコロナ禍によってもたらされた不可逆的な変化に、従来のような開催スタイルを維持し続けることは難しくなっていくものと考えます。

RIDEFiELDは参加者の安全管理と運営の効率化のためのシステムとして誕生しましたが、ご紹介したようにアフターコロナにおけるイベント開催に有効な使い方をすることも可能です。これからの開催計画を立てる際にぜひご検討下さい。